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セミナー集客は人数ではなく商談で数える|少人数でも成果が出る組み立て

  • BtoB
監修
中尾 大也
株式会社XtoX 代表取締役社長 中尾 大也

大阪府出身。幼少期に祖父が経営する建設会社の廃業を経験し、企業存続と経営の本質に関心を持つ。新卒入社したベンチャー企業では初月にトップマーケティング賞を受賞。その後、大阪支社のコンサルティング責任者として事業拡大を牽引し、社員40名から300名規模への成長と東証グロース上場に貢献。上場後はグループ企業の執行役員を歴任。2023年に株式会社XtoXを創業し、中小企業のセールス・マーケティング支援に従事。

大阪府出身。幼少期に祖父が経営する建設会社の廃業を経験し、企業存続と経営の本質に関心を持つ。新卒入社したベンチャー企業では初月にトップマーケティング賞を受賞。その後、大阪支社のコンサルティング責任者として事業拡大を牽引し、社員40名から300名規模への成長と東証グロース上場に貢献。上場後はグループ企業の執行役員を歴任。2023年に株式会社XtoXを創業し、中小企業のセールス・マーケティング支援に従事。

「参加者は集まったが商談につながらなかった」。セミナーは集客人数ではなく商談数で設計します。誰に何を提案するかの決め方と、終了後48時間の動かし方を、600社以上の戦略設計を行うXtoXが解説します。

・目次

    セミナーの相談をいただくとき、最初に出てくる質問はたいてい同じです。「どうすれば人が集まりますか」。集客の悩みは切実で、告知をしても申し込みが入らない状況が続けば、開催そのものが憂鬱になります。

    続けてうかがうのは、こうした声です。

    ・ 「メールを送っても、申し込みが数件しか入らない」

    ・ 「参加者は集まったが、そのあとの商談につながらなかった」

    ・ 「毎回準備に追われて、次の開催が続かない」

    先に結論をお伝えします。セミナーは、集客人数で設計するものではありません。そこから何件の商談が生まれるかで設計します。この順番を逆にすると、人を集めることが目的化して、集まったのに商談ゼロという結果になります。

    そして、この設計に立つと少人数でも成立します。50人の情報収集層より、5人の決裁者に来ていただくほうが商談は生まれます。以下では、そのための組み立てを順に整理します。

    誰に何を売るかを先に決める

    集客の手法を考える前に決めるべきことがあります。このセミナーの参加者に、終わったあと何を提案するのかです。

    ここが決まっていないセミナーは、内容が一般論に流れます。幅広い人に来てもらおうとするほどテーマが薄まり、結果として誰にも刺さらないタイトルになります。逆に、提案したいものが決まっていれば、来てほしい人がはっきりし、その人が反応する言葉でタイトルが書けます。

    決めることは3つです。

    ・ 来てほしい人(業種・規模・役職まで具体的に)

    ・ その人がいま困っていること(セミナーで扱うテーマ)

    ・ 終わったあとに提案するもの(次の一歩)

    3つ目まで書けたら、目標も人数ではなく商談数で置いてください。「30人集める」ではなく「商談3件をつくる」と決めると、打ち手が変わります。30人集めるなら広く告知するしかありませんが、商談3件なら、来てほしい10社に個別に声をかけるほうが確実です。

    XtoXの現場から

    支援先で、集客人数を目標に置いて進めたことがあります。目標は40名で、結果は50名を超えました。社内では成功と受け止められました。ところが1か月後、そこから生まれた商談はゼロでした。参加者の多くは同業他社や、学習目的の個人の方でした。人数を目標にした結果、来てほしい相手ではなく、来やすい相手を集めていたのです。次の回から目標を商談数に変え、告知の出し方も絞りました。参加者は20名程度に減りましたが、商談は4件になりました。

    申し込みはタイトルで決まる

    告知の反応を左右する最大の要素は、タイトルです。どのチャネルで告知しても、目に入るのはまずタイトルだからです。

    避けたいのは、自社の商材名や抽象的な言葉が主語になっているタイトルです。「◯◯システム活用セミナー」「これからの営業戦略を考える」といった形では、来てほしい人が自分のことだと気づけません。

    タイトルの書き方
    反応が出やすい形 反応が薄い形
    誰向けかが書いてある(従業員50名までの製造業向け) 対象が書かれていない
    困りごとが言葉になっている(紹介頼みから抜け出す) 解決策の名前だけが並ぶ
    持ち帰れるものが明確(明日から使える台本つき) 「考える」「学ぶ」で終わる
    時間が具体的(45分・質疑込み) 所要時間が分からない

    とくに3つ目が効きます。参加を決めるとき、人は時間を使う理由を探します。持ち帰れるものが具体的に書いてあれば、その理由になります。台本、チェックリスト、算出の表——形のあるものを用意して、タイトルに入れてください。

    既にある接点から声をかける

    集客のチャネルは、広告やSNS、外部の告知媒体などいろいろあります。ただ、最初に手をつけるべきは、すでに接点のある相手です。

    具体的には、名刺交換をした相手、過去に資料をダウンロードした相手、商談したが受注に至らなかった相手、そして既存のお客様です。この層は自社を認知しているので、告知が届いた時点で判断してもらえます。まったく接点のない層に広告で届けるより、反応率がまるで違います。

    とくに商談したが決まらなかった相手は、有力な候補です。あのときはご縁がなかったが、状況が変わっているかもしれません。セミナーは、売り込みではない形で再び接点を持つ口実になります。断られた相手への向き合い方は失注理由の聞き方でも触れていますが、失注は関係の終わりではありません。

    そして、来てほしい相手が決まっているなら、一斉配信ではなく個別に声をかけてください。「◯◯様に聞いていただきたい内容なので」と一言添えるだけで、参加率は変わります。10社に個別に連絡する手間は、広告費より安く、確実です。

    告知は一度で終わらせない

    告知の回数についても触れておきます。1回送って反応がないと、興味がないと判断してしまいがちですが、実際は見ていないだけです。

    開催の3〜4週間前から始め、複数回に分けて届けるのが基本です。1回目は開催のお知らせ、2回目は内容の詳細、3回目は締め切り前のご案内という形で、毎回少しずつ違う情報を載せます。同じ文面を繰り返すと読まれなくなるので、角度を変えてください。

    申し込みが入ったあとも接点は続きます。前日のリマインドは必ず送ってください。オンラインの場合、申し込んだことを忘れている方が一定数います。前日と当日朝の2回に分けると、参加率が上がります。

    終了後48時間が本番

    ここが本記事で最も伝えたい部分です。セミナーの成果は、終わったあとの動きで決まります。

    よくあるのは、終了後にお礼メールと資料を送って、それで終わる形です。相手からの反応を待つ姿勢では、動くのは既に検討が進んでいた数名だけになります。

    やるべきことは、参加者を分けて、それぞれに合った接触をすることです。判断の材料になるのは、当日の様子です。

    終了後の分け方と、次の接触
    当日の様子 やること 時期
    質問した・アンケートで相談希望 個別に連絡し、日程を提案する 当日か翌営業日
    最後まで参加した お礼と資料を送り、2〜3営業日後に架電する 翌営業日に送信
    途中で離脱した 資料を送り、当面はメールでの接点を保つ 翌営業日に送信
    申し込んだが不参加 録画か資料を送る。関心はあった相手として扱う 翌営業日に送信

    2行目の架電が要になります。「先日のセミナーにご参加いただいた」から始められる電話は、初回の架電とはまったく違います。相手も何の話か分かっているので、会話が成立します。この構造は展示会のフォローと同じで、資料は電話をかける理由をつくる道具です。詳しい設計は展示会のお礼メールで扱った考え方がそのまま使えます。

    4行目も見落とさないでください。申し込んだのに来なかった方は、興味がなかったのではなく、都合がつかなかっただけです。録画や資料を送れば、そこから商談になることは珍しくありません。

    XtoXの現場から

    私たち自身、セミナー後の架電の担当を決めずに開催したことがあります。当日は質疑も活発で、良い場になりました。ところが翌週、登壇した者も運営した者も通常業務に戻っていて、フォローの電話は誰もかけていませんでした。10日ほど経ってから連絡すると、相手はセミナーの内容をほとんど覚えていませんでした。それ以降は、開催日を決めた時点でフォローの架電日と担当者まで予定に入れています。準備よりも、終わったあとの段取りのほうが成果を左右します。

    少人数でも成立させる

    参加者が少ないと、開催をやめようかと考えてしまいます。ただ、目標を商談数に置いているなら、少人数は必ずしも失敗ではありません。

    むしろ人数が少ないほうが有利な点もあります。一人ずつに質問を振れますし、その場で個別の状況を聞き出せます。5名なら、全員と会話できます。50名の一方通行の講義より、5名との対話のほうが商談は生まれます。

    少人数で開催するなら、形式も変えてください。講義形式ではなく、途中で質問を挟み、参加者の状況を聞く時間を取り、後半を相談の時間に充ててください。こうすると、セミナーそのものがヒアリングの場になります。

    それでも人が集まらない場合は、テーマと対象を疑ってください。集客の手法を増やす前に、来てほしい人が本当に困っていることをテーマにできているかを見直すほうが早く効きます。

    続けられる形にする

    セミナーは、続けることで効いてきます。1回では認知されませんし、フォローの型も固まりません。

    続けるために、初回から作り込みすぎないでください。資料を一から作り、告知ページを凝り、当日の演出まで考えると、次の開催が遠のきます。既にある営業資料や過去の記事を組み替えれば、1回目の中身は用意できます。この考え方はホワイトペーパーの作り方と同じで、ゼロから作るより組み替えるほうが早く出せます。

    頻度は月1回から隔月程度で十分です。毎回テーマを変える必要もありません。同じテーマを繰り返すと、資料も進行も洗練されていきますし、来られなかった方に次の機会を案内できます。

    記録も残してください。申込数、参加数、参加率、そして商談数の4つです。毎回記録すると、テーマごとの傾向が見えてきます。申込は多いのに参加率が低いならリマインドの問題、参加は多いのに商談が出ないならテーマと対象の問題です。

    セミナー運営のチェックリスト

    セミナー運営のチェックリスト(10項目)
    □ 来てほしい人を業種・規模・役職まで決めてある
    □ 終わったあとに提案するものが決まっている
    □ 目標を人数ではなく商談数で置いている
    □ タイトルに対象・困りごと・持ち帰れるものが入っている
    □ 既存の接点(名刺・失注先・既存顧客)に告知した
    □ 来てほしい相手には個別に声をかけた
    □ 告知を3〜4週間前から複数回に分けている
    □ 前日と当日朝のリマインドを用意した
    □ 終了後の架電日と担当者を、開催前に決めてある
    □ 申込数・参加数・参加率・商談数を記録する場所がある

    よくある質問

    オンラインと対面のどちらがよいですか

    集めやすさではオンライン、関係づくりでは対面が有利です。遠方からも参加できるオンラインは申込数が伸びますが、途中離脱も起きやすく、当日の反応も読みにくくなります。対面は人数が限られるものの、終了後にその場で話せる利点があります。商談を目標にするなら、対面か、オンラインでも少人数で対話できる形をおすすめします。

    他社と共同で開催するのはどうですか

    互いの顧客層が近く、商材が競合しない相手なら有効です。双方の接点に告知できるので、集客の負担が半分になります。ただし、参加者リストの扱いと、終了後にどちらがどう接触するかを事前に決めておいてください。ここが曖昧だと、後で気まずくなります。

    集客代行を使うべきですか

    人数を集める手段としては有効です。ただ、集まった参加者が来てほしい相手と一致するかは別問題です。自社で数回開催し、どんなテーマにどんな人が反応するかが見えてから使うほうが、費用が無駄になりません。最初から外に出すと、集客はできても商談につながらない状態を繰り返すことになります。

    録画を配布してもよいですか

    配布をおすすめします。不参加の方への提供はもちろん、後日の営業活動でも使えます。ただし、参加者が映り込む部分や、質疑で個社の事情が語られた箇所は編集してください。撮影する旨と用途は、事前に案内しておくのが安全です。

    まとめ:人数ではなく商談で数える

    セミナー集客の悩みは、集客の手法を増やしても解決しません。誰に何を提案するのかを先に決め、目標を商談数に置いてください。それだけで、告知の出し方も、当日の形式も、終了後の動きも変わります。

    そして、終わったあとの2〜3営業日が本番です。開催日を決めた時点で、フォローの架電日と担当者まで予定に入れてください。準備に力を入れるより、この段取りのほうが成果に直結します。

    次の開催を考えるなら、まず来てほしい10社を書き出してみてください。その10社が申し込むタイトルは何かを考えると、テーマも自然に決まります。

    セミナーからの商談づくりでお悩みの方へ
    株式会社XtoXは、600社以上の戦略設計と200社を超える導入実績をもとに、セミナーの企画から集客・終了後のフォローまでを一気通貫で支援しています。いまの進め方の見直しからご相談いただけます。

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