インサイドセールスは何人から始められる?1人で立ち上げた会社の話【よくある質問】
結論、インサイドセールスは1人から始められます——ただし条件つきです。営業3人の会社が事務職の異動者1人でISを立ち上げ、営業を商談に集中させるまでの経過を、600社以上の戦略設計を行うXtoXが実例(一般化)で解説します。
結論:インサイドセールスは1人から始められます。ただし、「営業のミニ版」ではなく「役割を絞った専任」として設計することが条件です。この記事では、実際に1人でISを立ち上げたBtoBサービス会社の経過を紹介します(守秘のため、特定できない範囲に一般化しています)。
最初の状態:営業3人が「全部」をやっていた
その会社の営業は3人。リスト作成、架電、日程調整、商談、見積もり、フォロー——全工程を3人が抱えていました。症状は典型的で、商談が増えると新規の架電が止まり、商談が終わると案件が枯れている。売上のグラフは、営業の忙しさと逆相関の波を描いていました。
「営業を増やす」が最初の案でしたが、採用には時間も費用もかかります。代わりに選んだのが、商談の手前——リストと初期接点——を切り出して1人に任せる、インサイドセールスの立ち上げでした。
転機:営業経験ゼロの1人に、役割を「3つだけ」渡した
担当になったのは、営業経験のない事務職からの異動者でした。成立した理由は、任せる範囲の絞り方にあります。渡した役割は3つだけ——リストの管理と更新、初期架電と日程調整、そして「この条件を満たしたら営業に渡す」という引き渡し基準の運用。クロージングも価格交渉も任せません。商談は営業、その手前の交通整理はIS。この線引きが、未経験者でも回る理由です。
スクリプトと引き渡し基準(課題の確認・検討時期・キーパーソン)は立ち上げ時に文書化し、判断に迷う要素を最初から減らしました。受付突破の記事で書いたような架電の型も、個人の話術ではなく共有物として整備しています。
何が変わったか:営業の時間が「商談」に戻った
数か月で起きた変化は2つです。1つ目は、営業3人の時間の使い方——架電と日程調整が手離れし、商談と提案準備に集中できるようになりました。2つ目は、案件の波の平準化——商談で忙しい月でも初期接点が止まらないため、「商談が終わったら案件ゼロ」の谷が浅くなりました。
見落とされがちですが、もう1つ大きな副産物があります。架電結果・断り理由・リストの反応が、1人の手元に記録として貯まり始めたことです。それまで3人の記憶に散らばっていた情報が資産になり、リスト条件の見直しが初めて回るようになりました。
この事例から持ち帰れる3つのこと
①役割を絞る——1人ISの失敗は、テレアポからクロージングまで全部を期待することから始まります。「商談の手前」に限定すれば、未経験者でも立ち上がります。
②基準を文書化する——引き渡し条件とスクリプトが紙になっていれば、個人の勘に頼らず、担当が替わっても仕組みが残ります。
③孤立させない——1人ISは社内に同職種の仲間がいません。週次で営業と「渡したリードの手応え」を話す場を固定し、フィードバックが本人に返る設計にしてください。ここを怠ると、数字だけ課された1人部署は数か月で疲弊します。
よくある質問
Q1. どんな人をISの担当にすべきですか?
営業経験より、記録をきちんと残せること・決めた手順を守れることが適性です。事務職・カスタマーサポート出身者が成功しやすいのはこのためです。話術は型でカバーできます。
Q2. 兼任でもできますか?
兼任は「毎日決まった時間帯だけIS」のように時間で切れるなら成立します。ただし営業との兼任は、商談が忙しくなると必ずISが止まる——分業の意味が消えるため、おすすめしません。
Q3. 1人体制が向かないケースはありますか?
あります。月間のリード・リスト量が1人の処理能力を大きく超えている場合と、逆にリードが少なすぎて専任の仕事量にならない場合です。後者は営業がフォローの型を持つだけで足り、前者は最初から2人以上か外部の併用を検討してください。
まとめ:人数の問題ではなく、線引きの問題
「何人から始められるか」の答えは1人。ただし成立させるのは人数ではなく、役割の線引きと基準の文書化です。まずは営業の1週間の時間を書き出して、「商談の手前」に何時間溶けているかを数えてみてください。その時間が、ISの1人目の仕事量です。
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