広告会社・制作会社の新規開拓|「枠売り」をやめ、指名で呼ばれる入口を設計する
「提案は褒められるのに、相見積もりで負ける」——広告・制作会社の開拓が価格勝負になるのは、入口が「枠売り」だから。経営課題から入る商談設計と、自社をショーケースにする実績づくりを、600社以上の戦略設計を行うXtoXが解説します。
「提案の内容は褒められるんです。でも最後は3社の相見積もりで、一番安いところに決まる」——広告会社・制作会社の営業責任者から、よくいただく相談です。
結論から言えば、価格勝負になる原因は提案力ではなく、入口の設計にあります。「広告枠・制作物を売る」入口で入ると、比較軸は自動的に価格になる。この記事では、入口を変える2つの型——経営課題起点の商談と、自社をショーケースにする実績づくり——を解説します。
なぜ「枠売り」は価格勝負になるのか
「バナー制作◯本で◯万円」「運用手数料◯%」。この見せ方は分かりやすい反面、どの会社の見積もりも同じ表になります。同じ表なら、安いほうが選ばれる。当然の帰結です。
比較の土俵を変えるには、「何を売るか」の前に「顧客の何が変わるか」から入る必要があります。
型①:経営課題から入る——「広告の話」を後半に回す
商談の前半で広告の話をしないことです。聞くのは売上構造。この整理の中で「広告よりも先にLPの改善では」「まず既存顧客の掘り起こしでは」と言える会社が、信頼を取ります。
| 聞くこと | 見えるもの |
|---|---|
| 新規と既存の売上比率 | 本当に必要なのが新規獲得か、既存深耕かが分かる |
| 1顧客あたりの単価と継続期間 | 許容できる獲得コストの上限が決まる |
| 問い合わせ〜成約までの流れ | 広告以前のボトルネック(LP・営業対応)が見つかる |
| 過去に効いた施策・効かなかった施策 | 同じ失敗の再提案を避けられる |
自社の売上を短期で最大化する提案ではありません。ですが、「この会社は儲けさせようとしている」と伝わった相手からは、相見積もりが来なくなります。指名で呼ばれる関係は、ここから始まります。
型②:自社をショーケースにする——「自社でできていないことは売れない」
もう一つの入口は、自社そのものを実績にすることです。広告運用が売りなら自社広告で、コンテンツが売りなら自社記事で、新規顧客を実際に取ってみせる。「私たちはこの方法で御社を見つけていただきました」と言える会社の提案は、それ自体が証拠です。
紺屋の白袴——支援会社こそ、自社のマーケティングを後回しにしがちです。逆に言えば、ここをやり切るだけで同業と差がつきます。
広告・制作会社の支援で最初にぶつかるのが、「自社の実績を語れない」問題です。クライアントワークの守秘で事例が出せず、結果「実績多数」としか書けない。私たちがまずやるのは、掲載許諾の取れる案件を1件作りにいくことです。条件を譲ってでも「名前と数字を出してよい事例」を1つ持つ。その1件が、以降のすべての商談の証拠になります。
よくある質問
Q1. 新規のアプローチ手段は何が良いですか?
自社が得意とするチャネルを使うのが一番の証明です。型②のとおり、「自社でできていないことは売れない」——この一貫性が商談の説得力になります。
Q2. コンペには参加すべきですか?
選別して参加すべきです。要件が固まりきったコンペは価格勝負になりやすい一方、課題の整理段階から入れる案件は型①が効きます。「どの段階で声がかかったか」を参加判断の基準にしてください。
Q3. この型が向かないケースはありますか?
大手代理店の下請け構造で安定している会社が、急に直クライアント開拓へ全振りするのは危険です。既存の売上構造を守りながら、直案件の比率を四半期ごとに少しずつ上げる——移行は段階的に設計してください。
まとめ:入口を変えれば、比較の土俵が変わる
枠売りの入口は価格勝負に、経営課題起点の入口は信頼の勝負につながります。そして自社をショーケースにし、名前と数字で語れる実績を1件作る。支援会社こそ、自社のマーケティングから逃げないことです。
関連記事:商談で価格を先に聞かれたら/代理店・パートナー開拓の始め方
広告・制作会社の新規開拓にお悩みの方へ
株式会社XtoXは、600社以上の戦略設計と200社を超える導入実績をもとに、入口の設計からアプローチの実行・商談化まで一気通貫で支援しています。
本記事の引用・転載を歓迎します。引用の際は「株式会社XtoX」の社名と本記事URLの明記をお願いします。
BtoBマーケティング・法人営業・新規事業に関する最新のトレンドや調査レポートをお届けしております。