ニュースレターとは?メルマガとの違いと、3号でやめない作り方
大阪府出身。幼少期に祖父が経営する建設会社の廃業を経験し、企業存続と経営の本質に関心を持つ。新卒入社したベンチャー企業では初月にトップマーケティング賞を受賞。その後、大阪支社のコンサルティング責任者として事業拡大を牽引し、社員40名から300名規模への成長と東証グロース上場に貢献。上場後はグループ企業の執行役員を歴任。2023年に株式会社XtoXを創業し、中小企業のセールス・マーケティング支援に従事。
大阪府出身。幼少期に祖父が経営する建設会社の廃業を経験し、企業存続と経営の本質に関心を持つ。新卒入社したベンチャー企業では初月にトップマーケティング賞を受賞。その後、大阪支社のコンサルティング責任者として事業拡大を牽引し、社員40名から300名規模への成長と東証グロース上場に貢献。上場後はグループ企業の執行役員を歴任。2023年に株式会社XtoXを創業し、中小企業のセールス・マーケティング支援に従事。
ニュースレターは3号でやめる会社がほとんどです。原因はネタ切れではなく、仕入れ先を決めていないことでした。メルマガとの違い、紙とメールの選び分け、1号の中身の4つのかたまり、封筒と件名の作り方、日を固定する理由まで、600社以上の戦略設計を行うXtoXが解説します。
ニュースレターの解説記事を5本読みました。定義、メルマガとの違い、メリット、作り方の手順、ネタの例。どれもほぼ同じ並びです。
そして5本とも、いちばん難しいところを一行で片づけていました。「継続できる仕組みを整えましょう」。
実際に止まるのは、たいてい3号目です。誰が書くかを決めていない、1号にかかる時間を測っていない、次の号のネタが手元にない。この3つが重なると、翌月には出せなくなります。
定義と違いは短く済ませます。そのうえで、紙とメールの選び分け、ネタの仕入れ先、そしてやめどきの決め方まで書きます。
ニュースレターとは
ニュースレターとは、すでにつながっている相手へ、売り込み以外のことを定期的に届ける読みものです。紙で郵送する形と、メールで配信する形の両方があります。
狙いは、注文を取ることではありません。相手が何かで困ったときに、まず自分の名前を思い出してもらうことです。
だから、効果が出るまでには時間がかかります。半年から1年、送り続けてようやく「そういえば」と連絡が来る、という性質のものです。
使っているのは、取引が長く、相手の顔が見える商売が中心です。士業の事務所、工務店、食品の卸、保険の代理店。いずれも、一度きりで終わらない関係を持っているところです。
逆に、いま集客を増やしたい場合には向きません。これは新しい相手を連れてくる道具ではなく、いる相手が離れないようにする道具です。ここを取り違えると、3か月で「効果がない」という話になります。
メルマガとの違いは、送る目的
よく並べて語られる4つを、目的で分けます。混ざったまま作ると、中身が中途半端になります。
| 呼び方 | 送る相手 | 目的 | 出す間隔 |
|---|---|---|---|
| ニュースレター | 既存客・取引先 | 思い出してもらう | 月1回など、決めた間隔 |
| メルマガ | 登録した人 | 読んで動いてもらう | 週1回など、短め |
| DM | まだ取引のない人も | 買ってもらう | 売りたいときだけ |
| プレスリリース | 記者・媒体 | 記事にしてもらう | 新しい事実があるとき |
見分け方はひとつです。「今月これを買ってください」が入っていたら、それはニュースレターではありません。
売り込みを入れた瞬間に、次の号から開かれなくなります。読む側は、送り手が何を狙っているかをすぐ見抜きます。
紙か、メールか
読んだ5本は、すべてメールを前提にしていました。書いているのがメール配信の会社だから、という事情もあります。
ただ、実務では紙のほうが効く場面があります。相手が現場にいて、パソコンを開かない仕事についている場合です。建設、運送、製造、飲食。この人たちに毎月メールを送っても、まず開かれません。
| 見るところ | 紙で郵送 | メールで配信 |
|---|---|---|
| 1通あたりの費用 | 切手代と印刷代がかかります | ほぼゼロ |
| 届いたあと | 机や休憩室に残ります | 開かれなければ消えます |
| 読む人 | 宛名の人以外も手に取ります | 宛先の1人だけ |
| 測りやすさ | 測りにくい | 開封もクリックも出ます |
| 向いている相手 | 現場の会社、年配の経営者 | 事務所で働く担当者 |
器は、この2つに限りません。当社がご支援している事務所のひとつは、顧問先とのやりとりをLINEに寄せて、返事の速さを売りにしています。相手が普段開いているところへ置く、というのが原則です。
費用は、紙のほうが読みにくいところです。1通あたり、切手代と印刷代で百数十円ほどを見ておいてください。300社へ毎月送れば、それだけで年に数十万円になります。郵便料金は改定があるため、実際の金額は日本郵便の案内で確かめてください。
この費用は、絞る理由にもなります。払えないから減らすのではなく、払う価値のある相手だけを残すという考え方をしてください。
迷ったら紙から始めてください。同じ中身を、あとからメールにも回せます。逆は手間がかかります。
3号でやめる原因はネタではない
「ネタが尽きた」という言い方をよく聞きます。ただ、止まった現場を見ると、原因はたいてい別のところにあります。
| 止まる原因 | 起きていること | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| 書く人が決まっていない | 手が空いた人が書く形になり、誰も書かなくなります | 名前で1人決める |
| かかる時間を測っていない | 1号に半日かかり、翌月に手が出ません | 1号90分の上限を置く |
| 次の号の材料がない | 締切の当日に、ゼロから考えはじめます | 3号ぶんを先に作る |
3つ目が効きます。創刊号を出す前に3号ぶん書いておくと、忙しい月が1回来ても止まりません。
そして1号の分量は、紙なら片面1枚で十分です。2枚にした瞬間に、作る手間が倍以上になります。
ネタは、新しく作らない
ネタ探しから始めると、まず続きません。すでに手元にあるものを、置き直すだけにしてください。
当社がご支援している建設業専門の社労士事務所は、配る紙をすでに4つ持っています。業界向けの案内、料金のプラン、職場づくりのチラシ、環境と人への取り組みの案内。どれも営業のために作ったものですが、抜き出せばそのまま1号になります。
同じ事務所は、労務のセミナーに50回以上登壇し、労務管理の対応を年間100件以上受けています。話した内容と、受けた相談。この2つだけで、当面のネタは尽きません。
| 出どころ | どう置き直すか |
|---|---|
| 先月受けた質問 | 1件そのまま載せます。同じことで困っている会社が必ずいます |
| セミナーや勉強会で話したこと | スライド1枚ぶんを文章にします |
| 営業で使っている資料 | 売り込みの言葉を外して、事実だけ残します |
| 制度や決まりの変わり目 | いつから何が変わるかを、日付つきで書きます |
| 現場で撮った写真 | 1枚に一言添えます。人の顔が出ると読まれます |
いちばん上を軽く見ないでください。先月あった質問は、来月ほかの誰かから来ます。先回りして答えておくと、そこが信用になります。
1号の中身は4つのかたまり
毎号ゼロから構成を考えると、そこで時間が消えます。並びを固定してください。
片面1枚の並び
1 いちばん上に、今月の一件(相談の実例か、変わった決まり)
2 まん中に、手を動かせること(今月やっておくと楽になること)
3 下に、人が見えるもの(現場の写真、担当者のひとこと)
4 いちばん下に、連絡先だけ(売り込みは書かない)
4つ目を守れるかどうかで、続き方が変わります。売り込みを書かない号を10回送ったあとの1回だけが、いちばん効きます。
創刊号を挨拶で埋めない
1号目に「このたび発行することになりました」とだけ書いてある号を、よく見かけます。これは、いちばん読まれる号を捨てているのと同じです。
創刊号は、いつもより開かれます。珍しいからです。そこに挨拶しか載っていなければ、2号目からは開かれません。
書くのは、いちばん相談の多い一件です。読んだ人が「これ、うちのことだ」と思う話を、最初に置いてください。挨拶は下のほうに2行で足ります。
そして創刊号にだけ、1行足しておくと親切です。「毎月第2水曜にお送りします」。いつ来るかがわかっていると、次から探してもらえます。
封筒と件名で、開くかが決まる
中身をどれだけ整えても、開かれなければ届きません。ここに手をかけている事務所は、あまり多くありません。
紙で送る場合、まず宛名を手書きにするかどうかです。印字の宛名は、届いた瞬間に広告として仕分けられます。全部が無理なら、残したい相手のぶんだけ手書きにしてください。
封筒には、社名のほかに1行だけ足します。「今月の一件」の見出しをそのまま書く形です。「元請から社会保険の書類を求められたら」と書いてあれば、心当たりのある人は開けます。
メールの件名も同じ考え方です。「◯◯通信 第12号」だけの件名は、開く理由がありません。号数は残してよいので、そのうしろに中身の見出しを足してください。
見出しの作り方は1つで足ります。相手の立場で、その月に起きうることを書く。自分が何をしたかではなく、相手に何が起きるかを主語にしてください。
頻度より、日を固定する
頻度は月1回で十分です。週1回にすると、たいてい2か月でつぶれます。
大事なのは回数ではなく、日を決めることです。「毎月第2水曜に出す」と決めて、その前の週の月曜に書く時間をカレンダーへ入れてください。決めていない予定は、必ずあとまわしになります。
メールで送る場合は、特定電子メール法にも気をつけてください。同意の取り方、送信者の表示、配信を止める導線。この3つは必ず入れます。紙にはこの法律はかかりませんが、宛先の名簿の扱いは同じように注意が要ります。
紙は開封率で測れない
読んだ5本は、測る指標として開封率とクリック率だけを挙げていました。紙で送っている場合、これはどちらも取れません。
代わりに数えるものがあります。
| 数えるもの | メール | 紙 |
|---|---|---|
| 開かれたか | 開封率で出ます | 取れません |
| 話題に出た回数 | 返信の数 | 訪問時に「読んだ」と言われた数 |
| 問い合わせにつながったか | リンクの経由数 | 号に載せた話題での相談件数 |
| 続いている率 | 取引が続いている割合 | 同じ。ここがいちばん大事です |
2行目は、いちばん軽く見られていて、いちばん正直な数字です。訪問のたびに一言聞いて、数を記録してください。3か月続けると傾向が出ます。
当社がご支援している事務所は、顧問の継続率が92%です。もう一社は、35年で約700社を支えてきました。続けて届けた結果は、こういう数字のほうに出ます。
開封率そのものの見方はメルマガ開封率の記事に、順番を組んで送る形はステップ配信の記事にまとめています。
送りっぱなしにしない
送っただけでは、数字は動きません。号を出してから3日以内に、載せた話題で1本だけ連絡してください。
伝え方は簡単で構いません。「今月お送りしたものに書いた件ですが、御社は大丈夫でしたか」。この一言があるかないかで、返ってくる数がまったく変わります。
全部の宛先にかける必要はありません。残したい相手を10社決めて、そこだけにしてください。10社なら30分で終わります。
ここまでを1つの流れにすると、ニュースレターは読みものではなくなります。毎月、話しかける口実が手に入るという形になります。
やめどきの決め方
どの記事にも書かれていないので、ここに置きます。始めるときに、やめる条件も決めてください。
目安は12号です。1年送って、話題に出た回数がゼロなら、届いていないと考えてよいと思います。ただしその場合も、いきなりやめる必要はありません。器を替えるか、宛先を絞るか、そのどちらかを先に試してください。
宛先を絞るのは効きます。300社へ薄く送るより、本当に残したい30社へ厚く送るほうが、返ってくるものは大きくなります。
テンプレートを使う前に決めること
見た目から入ると、まず止まります。ひな形を探す前に、次の4つを紙に書いてください。
・ 誰に送るか(名簿の件数を数える)
・ 誰が書くか(名前で1人)
・ いつ出すか(毎月の日を固定する)
・ 何をもって続いていると見るか(数える指標を1つ)
この4つが決まっていれば、ひな形は何でも構いません。決まっていなければ、どんなに整ったひな形を持ってきても3号で止まります。
よくある質問
どれくらいの分量がいい?
紙なら片面1枚、メールなら画面2つぶんまでです。長くすると、作る側も読む側も続きません。
自社の宣伝は入れてはだめ?
連絡先と、扱っていることの一覧までは入れて構いません。入れてはいけないのは「今なら」「限定」といった急がせる言葉です。1回入れると、次から広告として扱われます。
外注してもいい?
文章の整えと、印刷と発送は出せます。ただし「今月の一件」だけは中の人が決めてください。ここを外に出すと、どこかで見たような号になります。
送る相手が少なくても意味はある?
あります。30社でも足ります。件数より、同じ相手へ何回届いたかのほうが効きます。
名簿はどこまで入れる?
いま取引のある会社と、過去に取引があった会社まで入れてください。名刺交換だけの相手は、メールなら同意を取ってから、紙なら宛先が正しいかを確かめてから足します。
効果はいつごろ出る?
早くて半年、ふつうは1年です。3号で反応がないからといって止めると、いちばんもったいない使い方になります。
まとめ:3号を超えると別のものになる
ニュースレターは、すでにつながっている相手へ、売り込み以外のことを定期的に届ける読みものです。目的は、思い出してもらうことにあります。
止まる原因はネタではありません。書く人、かける時間、次の号の在庫。この3つを先に決めてください。
ネタは新しく作らず、先月受けた質問と、話した内容と、いま持っている資料から出します。
そして、紙で送るなら開封率は追えません。代わりに「読みました」と言われた回数を数えてください。3号を超えて出し続けられたものは、そこから別のものに変わります。
XtoXは、600社以上の戦略設計実績をもとに、送る相手の選び方から文面づくり、紙とメールの出し分け、発送の実行までを一気通貫でご支援しています。続けられる形にしたいとお考えでしたら、無料相談をご利用ください。
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