営業コンサルティングの費用相場|月額30万円で何を頼めるのかを支援の工程から分解
大阪府出身。幼少期に祖父が経営する建設会社の廃業を経験し、企業存続と経営の本質に関心を持つ。新卒入社したベンチャー企業では初月にトップマーケティング賞を受賞。その後、大阪支社のコンサルティング責任者として事業拡大を牽引し、社員40名から300名規模への成長と東証グロース上場に貢献。上場後はグループ企業の執行役員を歴任。2023年に株式会社XtoXを創業し、中小企業のセールス・マーケティング支援に従事。
大阪府出身。幼少期に祖父が経営する建設会社の廃業を経験し、企業存続と経営の本質に関心を持つ。新卒入社したベンチャー企業では初月にトップマーケティング賞を受賞。その後、大阪支社のコンサルティング責任者として事業拡大を牽引し、社員40名から300名規模への成長と東証グロース上場に貢献。上場後はグループ企業の執行役員を歴任。2023年に株式会社XtoXを創業し、中小企業のセールス・マーケティング支援に従事。
「月額30万円と言われたが、この金額が高いのか安いのかわからない」。営業コンサルティングの費用は、相場表を見ても判断できません。料金体系ごとの目安に加え、その金額に支援のどこまでが含まれるのかを工程から分解し、600社以上の戦略設計を行うXtoXが解説します。
営業コンサルティングの費用は、顧問契約で月額30万円前後、時間契約で1時間あたり3万円前後が一つの目安とされています。ただ、この数字を見て発注を決められる方は、おそらくほとんどいません。金額はわかっても、その金額で何をしてもらえるのかがわからないからです。
実際、費用の相談をいただくときに出てくるのは、次のような言葉です。
・ 「月額30万円と言われたけれど、これが高いのか安いのか判断できない」
・ 「見積書に『戦略立案支援』としか書かれていなくて、中身がわからない」
・ 「前に別の会社に頼んだとき、資料は出てきたが現場は何も変わらなかった」
先に答えを言えば、営業コンサルティングの費用が判断しづらいのは、相場が不透明だからではありません。相場はむしろ、どのメディアを見てもほぼ同じ数字が並んでいます。判断できない理由は、同じ月額30万円でも、支援のどこからどこまでを引き受けるかが会社によってまるで違うからです。
そこでこの記事では、料金体系ごとの費用の目安を整理したうえで、その金額に何が含まれているのかを、実際の支援の工程に沿って分解します。読み終えたときに、手元の見積書を自分で評価できる状態になることを目指しました。
費用の目安を料金体系から把握する
営業コンサルティングの契約形態は、大きく4つに分かれます。それぞれ費用の発生の仕方が違うため、まず自社がどの形態を検討しているのかをはっきりさせておくと、比較がしやすくなります。
顧問・アドバイザリー契約
毎月一定額を支払い、継続的に支援を受ける形態です。公開されている相場では月額30万円前後を基準に、支援範囲が広がるほど100万円程度まで上がります。営業の仕組みそのものを作り替えたい場合や、社内に営業の責任者がいない場合に選ばれることが多いです。
注意したいのは、月額のなかに含まれる稼働の量です。月1回の定例会議だけで30万円という契約もあれば、週次の会議に加えて資料作成まで含んで同額という契約もあります。金額が同じでも、受け取れるものは倍以上違います。
プロジェクト契約
「営業組織の再設計」「新規開拓チームの立ち上げ」のように、目的と期間を区切って依頼する形態です。数か月単位で総額が決まるため、社内で予算を通しやすいという利点があります。一方で、期間終了後の定着支援が別契約になっていることが多く、そこを確認せずに契約すると、成果物を受け取った時点で支援が終わってしまいます。
時間契約・スポット相談
1時間あたりの単価で相談する形態です。相場では1時間3万円前後が中心で、経験の浅いコンサルタントであれば1万円程度から、実績のある人物であればそれ以上になります。特定の論点だけを整理したい場合には合理的な選択ですが、実行支援までは期待できません。
成果報酬型
アポイント1件、受注1件といった成果に対して費用が発生する形態です。初期費用を抑えられる点が魅力に映りますが、支援会社側から見れば、成果が読めない案件は受けにくくなります。結果として、単価の高い商材や、すでに勝ちパターンが見えている商材に限定されやすいという性質があります。
さらに、成果の定義でもめやすいのもこの形態です。「アポイント」と一言で言っても、担当者につながった時点なのか、決裁者と日程が確定した時点なのかで、発生する費用はまったく変わります。契約書で定義まで詰めておく必要があります。
| 料金体系ごとの費用の目安と向き不向き | ||
|---|---|---|
| 料金体系 | 費用の目安 | 向いている状況 |
| 顧問・アドバイザリー | 月額30万〜100万円 | 営業の仕組みを継続して作り替えたい。社内に営業責任者がいない |
| プロジェクト | 総額で数百万円規模 | 課題と期限がはっきりしている。予算を年度で確保している |
| 時間契約・スポット | 1時間1万〜3万円 | 論点が限定されている。まず外部の見方を聞いてみたい |
| 成果報酬 | 成果1件あたりで変動 | 商材の単価が高い。勝ちパターンがすでに見えている |
出典:比較ビズ、パーソルビジネスプロセスデザイン、DRMほか各社が公開している費用情報(2026年7月時点)をもとに整理しています。実際の金額は支援の範囲と稼働の量で変わるため、あくまで検討の出発点としてお使いください。
相場を知っても判断できないのはなぜか
ここまでの数字は、検索すればどのメディアでも同じような形で出てきます。それでも発注の判断がつかないのは、相場が示しているのが「価格の水準」だけで、「価格の中身」ではないからです。
たとえば同じ月額50万円の提案が2社から届いたとします。一方は月1回の会議で戦略の方向性を助言する内容、もう一方は週次の会議に加えてターゲットの選定、トークの設計、担当者への同席までを含む内容だとしたら、比較すべきは金額ではありません。しかし見積書の項目名は、どちらも「営業コンサルティング費用」と書かれていることがあります。
この見えにくさは、発注側の不満としても実際にあらわれています。マーケティング関連の外注先への不満を尋ねた調査では、1位が提案の実行可能性の低さで26.0%、2位が事業理解の不足で24.5%という結果が出ています(出典:PLAN-B調査)。値段が高すぎたという不満ではなく、支払った金額の中身が実行まで届かなかったという声が上位を占めているわけです。
であれば、費用の妥当性を判断する物差しは、金額そのものではなく「支援のどの工程までを買っているのか」に置くべきです。
費用の中身を支援の工程で分解する
XtoXでは、クライアントの支援を10の工程で進めています。社内のコンサルティングマニュアルに定義しているもので、契約前の準備から、支援が軌道に乗ったあとの更新提案までが含まれます。この工程に見積書を重ねると、費用の中身がかなりはっきり見えてきます。
| 支援の工程と、見積もりに含まれているかを確認したい点 | ||
|---|---|---|
| 工程 | この工程でやること | 確認したい点 |
| 1. 事前準備 | HPを読み込み、ペルソナと課題の仮説、他社事例を用意して初回に臨む | 初回提案の時点で自社の事業を調べているか |
| 2. インタビュー | 現状の営業活動、数字、社内の役割分担を聞き取る | 現場の担当者にも話を聞く設計になっているか |
| 3. 戦略会議 | どの市場のどの層を狙うか、何で勝つかを決める | ここまでで契約が終わる提案になっていないか |
| 4. 戦術会議 | 狙いを実現する施策を選び、優先順位と担当を決める | 施策の選択肢をどれだけ持っているか |
| 5. ディレクション | リスト、トーク、資料など実行に必要なものを整える | 制作物が費用に含まれるか、別見積もりか |
| 6. 初動会議 | 動き出しの数字を見て、初期の詰まりを取り除く | 開始直後の頻度を上げる設計があるか |
| 7. 定例会議 | 決めた指標を追い、次の打ち手を決める | 月何回か、誰が出席するか |
| 8. 非定例会議 | 想定外の事態やトラブルにその場で対応する | 定例以外の相談が追加費用になるか |
| 9. 追加提案 | 見えてきた次の課題に対して打ち手を足す | 提案のたびに費用が積み上がる構造か |
| 10. 更新提案 | 契約期間の成果を振り返り、次の期間を設計する | 振り返りの材料を数字で出せるか |
この表を持って見積書を見ると、多くの提案が工程1から4のあたりで止まっていることに気づきます。市場を分析し、狙う層を決め、施策を並べたところで納品になります。ここまでが「戦略」と呼ばれる範囲で、金額としては月額30万円前後におさまりやすいところです。
ただ、営業の数字が動きはじめるのは工程5から先です。リストを作り、トークを書き、実際に架電し、商談に同席して修正していきます。この部分を誰がやるのかが決まっていない契約は、資料は増えても受注は増えません。
XtoXの現場から
以前ご相談をいただいた企業では、前の支援会社から100ページを超える営業戦略の資料を受け取っていました。内容そのものは的を外していません。ただ、資料を受け取ったあと、社内の誰がリストを作り、誰が電話をかけるのかが決まっていませんでした。結果として、半年たっても架電は始まっていない状態でした。私たちが最初にやったのは新しい戦略を作ることではなく、その資料から今月やることを3つだけ抜き出して担当を決めることでした。
実行にかかる費用を見落とさない
戦略の設計だけを買った場合、実行は自社の負担として残ります。ここが見積書にあらわれないため、費用を比べるときにいちばん見落とされやすいところです。
XtoXでは、新規開拓から成約率の改善までを含めて47の施策を整理していますが、そのほとんどは、実行に人手と時間がかかるものです。たとえばテレマーケティング、フォーム送信、展示会、メールマガジン、公式LINE、営業資料の作り直し、商談への同席といったものが並びます。戦略会議で「まずテレマーケティングから」と決まったとして、そこから先には次のような作業が発生します。
・ ターゲットの条件を決めて営業リストを作る(数百件規模で数日)
・ トークスクリプトを設計すると同時に、断られたときの切り返しまで用意する
・ 実際に架電し、接続率と会話率を記録して週ごとに見直す
・ アポイントが取れたあとの商談の型を決め、資料を作り直す
これを社内でまかなうなら、担当者の工数が費用です。外注するなら、コンサルティング費用とは別に実行の費用がかかります。どちらにしてもかかるものなので、見積もりを比べるときは「戦略の費用」ではなく「戦略と実行を合わせた総額」で並べたほうが、実態に近い比べ方になります。
XtoXの現場から
支援の初期に、想定より安く見積もってしまったことがあります。戦略の設計とディレクションまでを引き受ける前提で組んだのですが、実際に始めてみると、リストの精度が想定を下回っていて作り直しが必要でした。ここは私たちの見立てが甘かった部分です。以降は、契約前のインタビューでリストと過去の架電記録を必ず確認させていただき、作り直しが必要なら最初から見積もりに入れるようにしています。あとから追加費用を出すより、先に総額を見ていただくほうがお互いに健全だからです。
営業代行との費用の違いを整理する
費用を調べていると、営業代行の相場と並んで表示されることがよくあります。どちらも似た価格帯で語られますが、買っているものが違います。
営業コンサルティングで買っているのは、勝ち方の設計と、自社で回せるようになるまでの伴走です。費用を払い終えたあとに残るのは、社内に根づいた進め方と、動かせるようになった人です。一方の営業代行で買っているのは、実際に動く手です。費用を払っている間はアポイントや商談が供給されますが、契約が切れた時点で供給も止まります。
どちらが優れているという話ではありません。社内に営業の人員がまったくいない状況で仕組みだけ設計しても動き出しませんし、逆に代行だけを続けても社内には何も残りません。自社に足りないのが「勝ち方」なのか「手」なのかで選ぶ、というのが現実的です。
見積もりを受け取ったら確認する
実際に提案書と見積書が届いたときに、その場で確認していただきたい点をまとめました。金額の欄ではなく、金額の中身を見るためのものです。順に確かめてみてください。
| 見積もりの確認リスト(10項目) |
|---|
| □ 月額に含まれる会議の回数と、出席するメンバーが書かれている |
| □ リスト・トーク・資料などの制作物が、費用に含まれるか別かがわかる |
| □ 実際に架電や商談を行うのが自社か支援会社かが明記されている |
| □ 定例以外の相談が追加費用になるかどうかが確認できている |
| □ 契約期間と、途中で終える場合の条件が書かれている |
| □ 何をもって成果とするかを、双方が同じ言葉で説明できる |
| □ 自社と近い規模・近い商材での支援経験を確認できている |
| □ 提案が、事実(自社の数字)と解釈(支援会社の見立て)に分けて書かれている |
| □ 実際に担当するコンサルタントが、提案の場に出てきている |
| □ 契約終了後に、資料やデータが自社に残る取り決めになっている |
とくに8番目は、私たちが社内でも重視している点です。提案書のなかで、自社の数字として確認できる事実と、支援会社の仮説とが混ざっていると、あとから成果の話ができなくなります。分けて書かれている提案書は、それだけで信頼できる材料になります。
費用に見合うかをどう見積もるか
費用の妥当性は、最終的には、かけた分を回収できるかどうかで決まります。ここは感覚で決められがちですが、かんたんな計算で目安は出せます。
たとえば年間の支援費用が600万円だとします。自社の平均受注単価が300万円、粗利率が40%なら、1件の受注で得られる粗利は120万円です。費用を回収するには年間で5件の追加受注が必要になります。ここで問うべきは、支援を受けることで年に5件の上積みが現実的かどうかです。現在の商談数と受注率がわかっていれば、必要な商談の数まで逆算できます。
この計算をすると、費用が高いか安いかではなく、支援会社に何件分の成果を期待しているのかがはっきりします。そして、その数字を提案の場で相手に伝えると、話がぐっと具体的になります。実現できると答えるなら根拠を聞けますし、難しいと答えるなら、その正直さこそ信頼できる材料になります。
なお、回収は受注の件数だけで見る必要もありません。商談の質が上がって受注率が改善する、提案書の作り直しにかかっていた時間が減る、といった形であらわれることもあります。ただし、そうした効果も最初に指標として決めておかないと、あとから振り返ることができなくなります。
依頼しないほうがよい場合もある
支援をしている立場で書きにくいことではありますが、営業コンサルティングを頼まないほうがよい状況もあります。
ひとつは、商品そのものの競争力に不安がある場合です。営業の設計で商談数は増やせますが、比較されて負ける状態が続くなら、先に手を入れたいのは商品や価格のほうです。もうひとつは、社内で実行する人がまったくいない場合です。この状況で仕組みを設計しても動かないので、まずは代行で手を借りるか、採用を先に進めるほうが現実的です。順番の問題です。
それから、経営者が営業に関わる時間をまったく取れない場合も、成果が出にくくなります。とくに従業員が数十名までの規模では、判断ができる人が会議に出るかどうかで、進み方が変わります。ここが取れないなら、時期を選び直したほうがよい結果になります。
よくある質問
契約期間はどのくらいが一般的ですか
顧問・アドバイザリー契約では半年から1年を単位とすることが多いです。営業の施策は、実行して数字を見て直すまでに一定の期間がかかるため、数か月では判断の材料がそろいません。ただし、初回は3か月で区切り、成果と進め方を確認してから延長するという組み方もできます。短い期間を希望する場合は、そのことを最初に伝えて設計してもらうとよいです。
補助金や助成金は使えますか
制度によっては対象になる場合もありますが、要件も公募の時期も毎年変わります。使えるという前提で予算を組むと、採択されなかったときに計画ごと止まってしまいます。まず自社の資金で回収できるかを判断し、使えたら助かる、という位置づけにしておくのが安全です。
見積もりは何社から取るべきですか
2社から3社が現実的です。ただし、各社に同じ情報を渡すことが前提になります。渡す情報が違うと提案の前提が変わってしまい、金額だけを比べても意味がなくなります。現在の商談数、受注率、営業の人員、過去に試した施策くらいはそろえて渡すと、比較できる提案が返ってきます。
費用が安い会社は避けたほうがよいですか
金額の高低だけでは判断できません。支援範囲を絞っているから安い場合もあれば、経験の浅い担当者がつくから安い場合もあります。確かめたいのは、安い理由を説明できるかどうかです。範囲を絞った結果だと明確に答えられる会社は、むしろ設計が誠実だといえます。
まとめ:費用は金額ではなく工程で判断する
営業コンサルティングの費用は、顧問契約で月額30万円前後というのが一つの目安です。ただ、その数字だけで判断できるものではありません。同じ金額でも、戦略の設計までで終わる契約と、実行の整備まで含む契約とでは、手元に残るものがまったく違ってきます。
見積書を受け取ったら、支援の工程のどこまでが含まれているのかを確認してください。そして、実行にかかる分を足した総額で比べてください。そのうえで、自社の受注単価から必要な上積みを逆算すれば、その金額が投資として成立するかどうかは、ご自身で判断できます。
最後にひとつだけ、問いを置かせてください。いま検討している提案について、「この費用で、誰が、いつまでに、何をやるのか」を社内で説明できますか。説明できないなら、それは金額の問題ではなく、まだ中身が決まっていないということです。
営業コンサルティングの費用や進め方でお迷いの方へ
株式会社XtoXは、600社以上の戦略設計と200社を超える導入実績をもとに、戦略の立案から実行までを一気通貫で支援しています。いまの見積書の見方や、自社に必要な支援範囲の整理からご相談いただけます。
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