LINE配信の設計|誰に何を送るかを、6本に分ける
大阪府出身。幼少期に祖父が経営する建設会社の廃業を経験し、企業存続と経営の本質に関心を持つ。新卒入社したベンチャー企業では初月にトップマーケティング賞を受賞。その後、大阪支社のコンサルティング責任者として事業拡大を牽引し、社員40名から300名規模への成長と東証グロース上場に貢献。上場後はグループ企業の執行役員を歴任。2023年に株式会社XtoXを創業し、中小企業のセールス・マーケティング支援に従事。
大阪府出身。幼少期に祖父が経営する建設会社の廃業を経験し、企業存続と経営の本質に関心を持つ。新卒入社したベンチャー企業では初月にトップマーケティング賞を受賞。その後、大阪支社のコンサルティング責任者として事業拡大を牽引し、社員40名から300名規模への成長と東証グロース上場に貢献。上場後はグループ企業の執行役員を歴任。2023年に株式会社XtoXを創業し、中小企業のセールス・マーケティング支援に従事。
LINEの友だち3,000人のうち、先月来た人は500人。この2つに同じものを送っても効きません。実際に運用している美容クリニックの設計書から、配信6本の役割、クーポンに付ける3つの条件、そして止める基準5つを、600社以上の戦略設計を行うXtoXが解説します。
LINEの友だちが3,000人いるとします。そのうち、先月来た人は何人でしょうか。
当社がご支援している美容クリニックのお客様では、月に約500人。残りの2,500人以上は、しばらく来ていません。
この2つに同じものを送っていると、どちらにも効きません。先月来た人に「久しぶりのご来店を」と送っても、意味が通じないからです。
実際に運用している設計書をもとに、誰に何を送るかを出します。配信は6本、止める基準は5つです。
分けるのは2つで足りる
セグメントを細かく分けようとして、止まっている会社が多くあります。年齢、性別、施術の種類、来店の回数。
最初は2つで足ります。
| 分け | 定義 | 送るもの |
|---|---|---|
| 来ている人 | 前月1日から今日までに来た人 | 次に足せるもの。値引きは使わない |
| 来ていない人 | それ以前に来た人、登録だけの人 | 戻る理由。ここで値引きを使う |
分け目は前月1日に置きます。毎月1日に更新すれば、条件はそれだけで済みます。
大切なのは、値引きを使う相手を分けることです。来ている人に割引を送ると、次から定価で来なくなります。
値引きは、来ていない人を動かすためだけに使ってください。
配信は6本に分ける
実際に運用している6本を、そのまま出します。
| 配信 | 誰に | いつ | 値引き |
|---|---|---|---|
| 次を足す案内 | 来ている人 | 会計から14日後。初回だけ | なし |
| 曜日クーポン | 来ていない人 | 毎月20日ごろ | 3,000円 |
| 誕生日 | 全員 | 前月末。期限は1か月 | 2,000円 |
| 施術後フォロー | 全員 | 翌日。自動 | なし |
| 季節の企画 | 来ていない人中心 | 2〜3か月ごと | 10%など |
| 紹介の案内 | 全員 | 常設(メニューに置く) | 紹介された人は半額 |
6本のうち、値引きがないものが2本あります。ここが要点です。
全部に値引きを付けると、値引きのない配信が読まれなくなります。「またクーポンか」と思われた時点で、通知が開かれません。
次を足す案内は、14日後
来ている人へ送る1本目は、別の施術の案内です。ただし条件が2つあります。
・ 会計から14日後に送る(当日でも翌日でもない)
・ そのカテゴリが初めての人にだけ送る(2回目以降は送らない)
14日という間隔には理由があります。受けた直後は、次の話を聞く状態ではありません。かといって1か月空けると、記憶が薄れます。
2つ目の条件が、より大切です。同じ案内を何度も送ると、そこで嫌われます。1人1回だけと決めておけば、しつこくなりません。
組み合わせは、実際の流れから作ります。顔まわりの施術を受けた人には体の施術を、体の施術を受けた人には別の種類を。過去のカルテを見れば、どの順番で受けている人が多いかがわかります。
別のものを足す考えかたそのものは、クロスセルの記事にまとめています。
クーポンは3つで絞る
来ていない人へ送るクーポンは、条件を付けないと利益が消えます。
実際に使っている条件が、これです。
3,000円引きのクーポンに付けている条件
・ 会計が2万円以上のとき(少額の利用で終わらせない)
・ 水曜か木曜に来た人だけ(空いている曜日に寄せる)
・ 予約は電話・自社サイト・LINEから(外部サイト経由は対象外)
・ 券面に「水木限定」と明記(当日のもめごとを防ぐ)
3つ目が効きます。外部の予約サイトから来ると、手数料がかかります。そこへ値引きを重ねると、利益が残りません。
2つ目も現実的です。混んでいる土日に値引きを配っても、定価で来たはずの人が安く来るだけです。空いている曜日に寄せると、埋まっていなかった枠が埋まります。
最初は1か月だけ試すと決めてください。使われた数を見てから、続けるか条件を変えるかを判断します。
誕生日には、他を送らない
誕生日のクーポンには、細かい決めごとが1つあります。
誕生日の月にあたる人には、他のクーポンを送らない。
理由は、特別感が消えるからです。誕生日だから2,000円引き、と受け取った翌日に、全員向けの3,000円引きが届いたら、前者の意味がなくなります。
送る側からすると細かい話ですが、受け取る側は必ず気づきます。
紹介は、紐付けられない前提で作る
紹介の仕組みを作るとき、誰が誰を紹介したかを自動で記録しようとすると止まります。
LINEの標準の機能では、そこまでできません。専用の仕組みを入れる話になり、費用と時間がかかります。
諦めてください。人の手でやるほうが早く動きます。
実際にやっている形
・ メニューに紹介文を置き、コピーして友人へ転送してもらう
・ 来院時に「紹介で来ました」と申告してもらう
・ 受付でカルテに印を付ける
・ 紹介した側には、次回の来院で5,500円引き
・ 紹介された側は、一部のメニューが半額
・ 他の割引との併用は不可
誰に案内するかも決めておきます。「半年で2回以上来た人」または「累計で5万円以上使った人」。
全員に配ると、紹介する気のない人にまで特典の存在を知らせることになります。使う人だけに届けば足ります。
止める基準を、先に決める
ここが、多くの会社で抜けているところです。
配信を始めるときは決めるのに、やめる基準を決めていません。だから効いていない配信が、何年も流れ続けます。
実際に使っている基準を、そのまま出します。
| 見るもの | この線を割ったら | やること |
|---|---|---|
| クーポンの利用数 | 0件が2か月続く | 金額・対象・時間帯を変える |
| 開封率 | 30%未満 | 件名と配信する時間帯を見直す |
| 案内が押された率 | 2%未満が2か月 | 文面と画像を差し替える |
| 企画からの来院率 | 5%未満 | 次回の切り口を変える |
| 誕生日クーポンの利用率 | 10%未満が3か月 | 中身を作り直す |
数字そのものより、「何か月続いたら」まで決めていることが大切です。1回悪かっただけで変えると、何が効いたのかわからなくなります。
この表を先に作っておくと、毎月の会議が短くなります。感想ではなく、線を割ったかどうかで話せるからです。
誰がやるかを、表にする
配信が止まる原因の多くは、中身ではありません。誰がやるか決まっていないことです。
院長も現場も忙しいので、決まっていない作業は誰もやりません。
| やること | 誰がやるか |
|---|---|
| やるかどうかの判断 | 決裁者。選択肢と推奨案は外部が出す |
| 値引きの額と期限を決める | 決裁者。上限の目安は外部が出す |
| 文面と画像を作る | 外部。初稿を出して確認をもらう |
| 配信の設定操作 | 外部。院内は画面を触らない |
| 毎月の予約設定 | 院内の担当1名。手順書を渡しておく |
| 企画の素材(写真・文章) | 院内。専門的な判断が要るため |
| 数字の集計と改善案 | 外部。会議の前に送る |
| 紹介の記録 | 受付。来院時にカルテへ |
外部に頼む場合でも、金額の決定と素材の用意は院内に残してください。ここを外に出すと、実態と合わないものが出来上がります。
逆に、設定の操作は外に出したほうが早く回ります。院内の人が画面を覚える必要はありません。
配信の材料は、患者の不安にある
何を書くか思いつかない、という話をよく聞きます。材料は、検索されている言葉の中にあります。
実際に、こういう言葉が毎月まとまった数で検索されています。
・ カウンセリングでは何をするのか
・ 何を聞けばいいのか
・ どれくらい時間がかかるのか
・ 何を持参すればよいのか
・ すっぴんのままでよいのか
・ 事前に処理していく必要があるのか
どれも、来る前の不安です。そして、どれも1通の配信で答えられます。
予約が入ってから当日までの間に、この答えを送ってください。来院率が変わります。不安のまま当日を迎えた人の一定数が、来なくなるからです。
同じ内容は、施術後にも使えます。「次はいつ来ればよいか」「今日から何日は何を避けるか」。これも不安であり、答えれば次の予約につながります。
数えるのは3つ
1 開封された率(配信ごとに)
2 案内が押された率(配信ごとに)
3 配信から2週間以内に来た数
3番目を必ず入れてください。1番と2番だけを見ていると、読まれているのに来ていない状態に気づけません。
そして、全体で1つだけ追う数字を決めます。再び来た人の割合です。
さきほどのクリニックでは、この数字をおよそ25%から始めて、1年で50%まで上げるという目標を置いています。配信ごとの数字は、そのための手段です。
案内が押された率も、はじめは低くて構いません。1.2%から始めて、まず2%を目指す。いきなり5%を求めると、配信が売り込みに寄っていきます。
確認リスト8項目
1 友だちを「来ている人」と「来ていない人」に分けたか
2 値引きを、来ていない人だけに使っているか
3 次を足す案内を、会計から14日後にしているか
4 同じ案内を、1人1回だけにしているか
5 クーポンに、最低金額と曜日の条件を付けたか
6 外部の予約サイト経由を対象外にしたか
7 止める基準を、配信ごとに決めたか
8 誰が何をやるかを、表にしたか
7番が、いちばん後回しにされます。始める前に決めておかないと、あとからは決められません。
よくある質問
配信は月に何回まで?
回数より中身です。6本を設計どおりに動かすと、1人が受け取るのは月に1〜2通になります。全員に毎週送る形と比べて、ブロックされにくくなります。
値引きなしで反応は取れる?
取れます。施術後の注意事項や、次に受けられるものの案内は、値引きがなくても読まれます。むしろ値引きが付いていない配信があるから、付いている配信が効きます。
クーポンの額はいくらが適当?
相場ではなく、最低の会計金額から決めてください。2万円以上の会計に3,000円なら、値引き率は15%以下です。率で上限を決めておくと、額を迷いません。
効いていない配信を止めにくい
止める基準を先に決めていないからです。「0件が2か月続いたら条件を変える」と書いておけば、感情の問題になりません。
外部に全部任せてよい?
設定と制作は任せられます。ただし値引きの額と、専門的な内容の素材は院内に残してください。ここを外に出すと、実態と合わないものが出来上がります。
まとめ:分けて、止める基準を持つ
LINEの友だちに、同じものを送っていませんか。先月来た人と、1年来ていない人では、届くべき言葉が違います。
分けるのは2つで足ります。そして値引きは、来ていない人にだけ使ってください。来ている人に配ると、定価で来なくなります。
配信は役割で分けます。6本のうち2本は、値引きを付けません。付けない配信があるから、付けた配信が効きます。
そして、始める前に止める基準を決めてください。「0件が2か月」「開封30%未満」。線を先に引いておけば、毎月の判断が感想ではなくなります。
新規の見込み客に向けた配信の設計は、ステップ配信の記事にまとめています。
XtoXは、600社以上の戦略設計実績をもとに、美容クリニックのLINE配信の設計から運用までを一気通貫でご支援しています。送る相手と中身を分けたい方は、無料相談をご利用ください。
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