物流会社の荷主開拓|安値受注に頼らず「2社目・BCP枠」を取るテレアポの型
ドライバー不足で輸送力が売り手市場になった今こそ、物流会社が荷主を選ぶ側に回るチャンスです。安値受注に頼らない「2社目・BCP枠」の開拓と、価格ではなく持続可能な輸送体制で選ばれる訴求を、600社以上の戦略設計を行うXtoXが解説します。
ドライバーの時間外労働規制、いわゆる「2024年問題」以降、輸送力の需給は構造的に変わりました。荷主側の調査でも、輸送力の確保・物流網の見直しは経営課題として語られるようになっています。
つまり今は、物流会社が「選ばれる側」から「選ぶ側」に回れる、数十年に一度の局面です。にもかかわらず、開拓の現場では今も「他社より安くやります」の営業が続いています。この記事では、安値に頼らない荷主開拓の型を解説します。
前提:荷主が今、本当に恐れていること
荷主の恐怖は「運賃が上がること」から「運んでもらえなくなること」へ移りつつあります。既存の運送会社が便を減らす、繁忙期に断られる、ドライバーが確保できない——輸送の空白は、荷主にとって売上の空白です。
この構造変化が、製造業の記事で解説した「2社目枠」の考え方をそのまま使える理由です。既存の取引を奪いに行くのではなく、「万一のときの2社目・繁忙期の補完枠」として入る。荷主の恐怖に、正面から答える入り方です。
テレアポの型:「安くやります」と言わない
| 安値型(従来) | 2社目・BCP型 |
|---|---|
| 「現状より安い運賃でお見積りします」→価格比較の土俵へ。値上げ交渉ができない関係の始まり | 「今のお取引を変える話ではありません。繁忙期や万一の際の2社目の枠として、貴社の路線・荷姿で対応できる体制をご案内したい」→リスク対策の相談相手へ |
狙いは即時の切り替えではなく、「困った瞬間に電話が来る位置」です。スポット1件から入り、品質(時間厳守・事故ゼロ・連絡の速さ)で定期便の検討候補に上がる。物流の営業は、最初の1便が商談資料になります。
訴求は「安さ」ではなく「続けられる体制」
荷主の担当者が社内で説明しやすい材料を渡すことが、訴求設計の中心です。ドライバーの採用・定着への取り組み、法令順守の体制、車両と拠点の実数、繁忙期の対応実績。「安い会社」ではなく「10年後も運んでくれる会社」として語れる材料を、会社案内と提案書に落とし込みます。
物流会社の支援で歯がゆいのが、「安値で取った荷主ほど、値上げ交渉ができない」という悪循環です。燃料が上がっても言い出せず、利益が薄いまま台数だけ増えていく。私たちが開拓の設計に入るときは、最初に「受けない荷主の条件」を決めることから始めます。誰から取るかと同じくらい、誰から取らないかが利益率を決める——開拓とは、選ぶことでもあります。
よくある質問
Q1. リストはどう作ればいいですか?
自社の帰り便・空き車両の路線から逆算するのが最短です。「◯◯→△△間で週◯便の余力がある」なら、その路線沿いに出荷拠点を持つ荷主が最優先リストになります。稼働率の改善と開拓を同時にやる考え方です。
Q2. 誰宛てに電話すべきですか?
物流部・購買部があればその責任者、中堅以下なら経営者か工場長です。受付には「物流のご提案」ではなく「◯◯路線の輸送体制のご案内」と用件を具体化すると通りやすくなります。
Q3. この型が向かないケースはありますか?
あります。ドライバーと車両に余力がない状態での開拓は、既存荷主への品質低下を招き本末転倒です。採用・定着の手当てが先。営業と採用は、物流業では同じ問題の両面です。
まとめ:御社は「困った瞬間に電話が来る位置」にいますか
輸送力が価値になった今、物流会社の開拓は安値の提示ではなく、荷主のリスクに答える提案に変わりました。2社目・BCP枠で入り、最初の1便を商談資料にし、受けない条件を先に決める。——既存の運送会社が「運べません」と言ったその日、荷主が最初に思い出すのは御社でしょうか。
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